『どうして歯が白くなるの?』
ホワイトニングに使用する過酸化水素は、分解するときにフリーラジカルが発生します。
このフリーラジカルが、歯の着色有機質(カロチン色素など)に含まれている二重結合部分を切断します。着色有機質は分子が小さくなり、色が薄くなっていきます。
この着色有機質の無色化により、歯の明るさを上げて白くする方法です。
ホワイトニングではかなり白くしても、自然な感じでキレイになります。
また、ホワイトニングは歯を溶かしたりするのではなく、色が変わるだけなので、歯自体を傷つけることはありません。
オフィスホワイトニングでは、この反応を促進させるために、レーザーなどを照射する方法があります。
最近では、レーザーなどを使用せずより安全にホワイトニングを行う方法もあります。
『ホワイトニングは安全?』
ホワイトニングに使用される薬剤は、アメリカの食品医薬品局や日本の厚生労働省でも認可され、多くの大学や研究機関で安全性が確認されています。
現在のホワイトニングは歯を脱灰させたり、傷めたりすることなく安全に白くすることが出来きで安心です。
『ホワイトニング剤について』
ホワイトニングは歯に過酸化水素を作用させ歯を白くします。
過酸化水素は、一般に消毒剤として使用されているのをはじめ、食品添加物にも使用されており、人間の体の中でも過酸化水素は作られています。
またホームホワイトニングで使用されている過酸化尿素は、歯肉の治療薬としても使用されています。
強い薬ではなく安全な薬剤です。
以前のホワイトニング剤の中には、pHが低い酸性の製品があり、一時的に歯のカルシウムが溶け出す脱灰という現象を起こしていました。
それでも唾液の作用で1時間以内にはカルシウムが戻る「再石灰化」が起こることが分かっています。
そして、このリスクはコーラを飲んだ時と同程度です。
以前はこういった酸を使用してホワイトニングを行っていた時代もありましたが、現在はほとんどの製品で酸を使用していません。
『ライト・熱について』
ホワイトニングには可視光線領域のライトやレーザー、LEDなどを使用します。
中には近紫外線を若干含んでいるものもありますが、紫外線そのものではありません。
薬事法が厳しい日本やアメリカで認可されているシステムであれば、正しい使い方をしていればダメージは最小限です。
オフィスホワイトニングに使用する機械の中には、熱を発するものがあります。
これはホワイトニング剤を活性化させるために熱を出すのですが、温度が50度近くになることもあります。
しかし、薬剤表面の温度は50度近くになっても、歯面の温度は高くなりません。
この熱は薬剤を活性化させるためで、歯の神経などには影響は少ないです。
また、レーザーを使用せずに行えるオフィスホワイトニングもあります。
『歯のクリーニングとは違うのですか?』
歯のクリーニングとは歯の表面についた歯石・プラークや色素(ステイン)をキレイにすることです。
歯が黄色い人の中には、ヤニや茶渋などの色素で歯が黄色くなっていることがあり、歯のクリーニングだけでもかなり白くできることもあります。
また、ホワイトニングのためにもクリーニングは必要です。
歯の表面に汚れや色素がついていると、ホワイトニング剤の効果が半減してしまいます。
歯を白くするには、まず歯のクリーニングです。
そして、ホワイトニングは歯の表面の色素を落とすクリーニングと違い、歯自体の色を白くします。
医師プロフィール
阿部 洋太郎
日本大学松戸歯学部を卒業後、歯科保存学入局
千葉県の歯科医院、都内の歯科医院にて勤務
松島歯科・新橋インプラントオフィスにて副院長およびインプラントオフィス所長を兼務
日本大学大学院松戸歯学研究科を卒業
(インプラントと口腔粘膜病変の研究、コラーゲンとエラスチンの研究、カンジダと癌の研究)
審美歯科、ラミネートベニアを専門的に行っており、日本各地や海外からのご来院にも対応している
詳しい経歴や医師の想いについては、医師の紹介ページをご覧ください。