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歯のマニキュアは虫歯や銀歯にもできる?短期間で白い歯を手に入れる方法

歯の黄ばみや銀歯でお悩みではありませんか?短期間で白い歯を手に入れたい方に人気の「歯のマニキュア」。この記事では、その種類や特徴、ホワイトニングとの違いを解説します。特に気になる虫歯や銀歯への適用可否、リスク、そして画期的な活用法まで徹底解説。

歯のマニキュアのメリット・デメリットを理解し、後悔しない選択をするためのポイントをお伝えします。

歯のマニキュアとは?2つの種類と特徴

「歯のマニキュア」は、歯の表面に白い樹脂やコーティング剤を塗布して、短期間で歯を白く見せる審美治療の一つです。歯そのものを漂白するホワイトニングとは異なり、歯の表面を物理的に覆い隠すことで、歯の色や形、表面の凹凸を一時的に改善する効果が期待できます。

この手軽さから、結婚式やイベントなど「この日までに歯を白くしたい」というニーズに応える方法として人気を集めています。歯のマニキュアには、大きく分けて「歯科医院でプロが行う方法」と「市販品を自宅で使う方法」の2種類があります。

歯科医院で受ける歯のマニキュア

歯科医院で提供される歯のマニキュアは、歯科医師や歯科衛生士といった専門家が、医療用のレジン(歯科用プラスチック)やホワイトコート剤を用いて施術します。専門的な知識と技術に基づいて行われるため、より自然で美しい仕上がりが期待できます。

施術は、まず歯の表面をクリーニングし、乾燥させた後、白い樹脂を薄く均一に塗布し、特殊な光を照射して硬化させます。このプロセスにより、歯の表面に強固な白い層が形成されます。

歯科医院での歯のマニキュアの主な特徴は以下の通りです。

  • 専門性: 歯科医師や歯科衛生士が施術するため、ムラなく均一で美しい仕上がりが期待できます。
  • 使用材料: 医療用のレジンやホワイトコート剤を使用するため、安全性や耐久性が高いです。
  • 持続期間: 一般的に1〜3ヶ月程度持続すると言われています。定期的なメンテナンスや再塗布でさらに長持ちさせることも可能です。
  • 費用: 市販品に比べて費用は高くなりますが、その分、品質や持続性、安全性が確保されます。
  • 適用範囲: 前歯など、特に目立つ部分に適用されることが多いです。

市販の歯のマニキュア

市販されている歯のマニキュアは、ドラッグストアやインターネット通販などで手軽に購入でき、自宅で自分自身で塗布できる点が最大の特徴です。主に化粧品に分類される製品が多く、一時的に歯を白く見せることを目的としています。

塗布方法は製品によって異なりますが、一般的には筆やハケを使って歯の表面に直接塗るタイプが多いです。

市販の歯のマニキュアの主な特徴は以下の通りです。

  • 手軽さ: 自宅で好きな時に使用でき、歯科医院への通院が不要です。
  • 使用材料: 化粧品分類の製品が多く、水や唾液で剥がれやすい性質を持つものが多いです。
  • 持続期間: 数時間から1日程度と短く、飲食や歯磨きで剥がれてしまうことがほとんどです。
  • 費用: 歯科医院での施術に比べて非常に安価です。
  • 仕上がり: 自分で行うため、ムラになったり、不自然な白さになったりする可能性があります。

虫歯がある歯に歯のマニキュアはできる?

結論から言うと、虫歯の状態によっては推奨されません。特に歯科医院で行う歯のマニキュアの場合、虫歯がある歯への施術は基本的に断られるか、治療を優先するよう勧められます。

虫歯を一時的に隠すことのリスク

虫歯で歯が黒ずんでいたり、穴が開いていたりする場合、歯のマニキュアを塗ることで、一時的にその着色部分や欠損を目立たなくすることは可能です。市販の歯のマニキュアは、一般的に持続期間が短く、数時間から1日程度で剥がれるものが多いため、一時的に隠すだけであれば、虫歯の進行に直接的な影響を与えることは少ないかもしれません。しかし、これはあくまで一時的な応急処置に過ぎません。

問題となるのは、歯科医院で施されるような、より持続性の高い歯のマニキュアの場合です。数ヶ月間持続するマニキュアで虫歯を覆ってしまうと、以下のような深刻なリスクが生じます。

  • 虫歯の進行が見えなくなる:マニキュアの下で虫歯が密かに進行し、肉眼では発見が遅れる可能性があります。
  • 自覚症状の遅れ:虫歯が進行して神経に近づいても、マニキュアが刺激を遮断し、痛みなどの自覚症状が出にくくなることがあります。
  • 治療の複雑化と費用増加:発見が遅れるほど虫歯は深く進行し、神経治療や抜歯が必要になるなど、治療が複雑化し、時間や費用が大幅にかかる可能性が高まります。
  • 口腔全体の健康への影響:未治療の虫歯は、口臭の原因になったり、他の健康問題を引き起こしたりするリスクもあります。

このように、虫歯を隠す行為は、根本的な解決にはならず、むしろ将来的なリスクを高めることにつながります。

歯科医院での虫歯とマニキュアの対応

歯科医院では、患者さんの口腔全体の健康を最優先に考えて治療を行います。そのため、歯のマニキュアを希望される方が虫歯を抱えている場合、基本的にまず虫歯の治療を優先するよう勧められます。

ごく初期の虫歯(要観察レベル)であれば、歯科医師の判断で一時的に様子を見ることもありますが、通常はマニキュアを施す前に虫歯を完全に治療し、歯を健康な状態に戻すことが推奨されます。これにより、マニキュアの仕上がりも美しく、長持ちさせることができます。

マニキュアの前に虫歯治療が重要な理由

歯のマニキュアは、あくまで歯の表面を一時的に美しく見せるための手段です。歯の健康状態が損なわれている場合、その上から化粧をしても、根本的な問題は解決しません。歯の健康維持が最優先であり、虫歯治療はそのための不可欠なステップです。

マニキュアの前に虫歯治療を行うべき重要な理由は以下の通りです。

  • 虫歯の悪化を防ぐ:治療をせずに放置すると、虫歯は神経にまで達し、激しい痛みや抜歯が必要になる可能性があります。早期治療は、このような事態を防ぎます。
  • 治療の負担を軽減する:虫歯が軽度のうちに治療すれば、削る範囲も少なく、治療時間や費用も抑えられます。
  • 口腔全体の健康を保つ:虫歯は口内の細菌バランスを崩し、歯周病などの他の口腔疾患のリスクも高めます。健康な歯は全身の健康にもつながります。
  • マニキュアの仕上がりと持続性を向上させる:健康で滑らかな歯の表面は、マニキュアが均一に塗布されやすく、より美しく長持ちする結果につながります。

短期間で歯を白くしたいという気持ちは理解できますが、いざという時に慌てないためにも、日頃から虫歯はきちんと早めに治しておくことが大切です。定期的な歯科検診を受け、口腔内の健康状態を把握しておくことで、美しい歯を長く保つことができます。

銀歯に歯のマニキュアはできる?画期的な活用法と注意点

実は、歯のマニキュアは、銀歯の見た目を一時的に改善する画期的な方法として注目されています。ここでは、銀歯に歯のマニキュアを施すことのメリットと、実際に適用する際の注意点について詳しく解説します。

 

銀歯を白くできる歯のマニキュアのメリット

歯のマニキュアが銀歯の見た目を改善できる最大のメリットは、その即効性と手軽さにあります。

  • ホワイトニングでは不可能な人工物の着色改善: 前述の通り、一般的なホワイトニングは天然歯にのみ作用します。歯のマニキュアは、歯の表面に白いコーティング剤を塗布することで色を隠すため、銀歯の黒ずんだ色を一時的に白い歯の色に近づけることが可能です。
  • 短期間で見た目を改善できる: 結婚式や写真撮影など、「短期間で銀歯を目立たなくしたい」という緊急性の高いニーズに応えられます。銀歯を白い詰め物や被せ物(セラミックなど)に替えるには、歯科医院での治療期間と費用が必要ですが、マニキュアであれば比較的短時間で完了し、費用も抑えられます。
  • 手軽な応急処置として活用: 「すぐに銀歯を白いものに作り替える予定はないけれど、一時的にでも白く見せたい」という場合に、たった1回の塗布で銀歯を白く見せることが可能です。これは、見た目のコンプレックスを抱える方にとって、非常に便利な選択肢となります。

銀歯にマニキュアをする際の注意点

銀歯に歯のマニキュアを施すことは、見た目の改善に有効な手段ですが、いくつかの注意点があります。

噛む面への適用は難しい

歯のマニキュアは、歯の表面に塗布する性質上、咀嚼(そしゃく)によって直接力がかかる「噛む面」への適用は非常に難しいとされています。既存の銀歯にマニキュアを施す場合、その耐久性は天然歯に塗布するよりもさらに低くなる傾向があります。

  • 剥がれやすさ: 食事の際の摩擦や噛み合わせの力によって、塗布したマニキュアがすぐに剥がれてしまう可能性が高いです。特に、硬いものを食べる際や、歯ぎしり、食いしばりの癖がある場合は、さらに剥がれやすくなります。
  • 持続性の限界: 噛む面に塗布できたとしても、その効果はごく短時間しか持続しないため、実用的な選択肢とは言えません。

そのため、銀歯にマニキュアを施す場合は、主に外から見える「歯の側面」に限定されることが多いです。

 

下の歯の銀歯には不向きな理由

下の奥歯の銀歯は、口を開けた時に外から見える部分のほとんどが「噛む面」であることが一般的です。前述の通り、噛む面はマニキュアが剥がれやすいため、下の歯の銀歯の側面にマニキュアを塗布しても、見た目の改善効果はほとんど期待できません。

したがって、歯のマニキュアで銀歯を白く見せる効果を最大限に期待できるのは、主に上の歯の、特に側面が見えやすい銀歯であると考えておくと良いでしょう。

銀歯の見た目を効果的に改善したい場合は、歯科医院での専門的な施術を検討することをおすすめします。

 

 

歯のマニキュアのメリット・デメリット

歯のマニキュアの主なメリット

歯のマニキュアは、手軽に短期間で歯の見た目を改善したいと考える方にとって、多くの魅力的なメリットがあります。特に、従来のホワイトニングでは対応できなかった部分にも効果を発揮する点が大きな特徴です。

メリット

詳細

即効性・短期間で白い歯

歯科医院での施術であれば、1回の来院で歯の表面に白い被膜を形成できるため、結婚式やイベントなど、急いで歯を白くしたい場合に非常に有効です。市販品もその場で色の変化を実感できます。

人工歯(銀歯・差し歯)にも対応

一般的な歯のホワイトニングは、歯そのものの色を漂白するため、銀歯やセラミック、レジンなどの人工歯には効果がありません。しかし、歯のマニキュアは歯の表面に直接塗布するため、銀歯や古い差し歯の色が気になる場合でも、上から白い色をコーティングして目立たなくすることが可能です。

手軽さ・お化粧感覚

歯を削ったり、薬剤で漂白したりする本格的な治療とは異なり、お化粧をするような感覚で気軽に歯の見た目を整えることができます。市販品であれば自宅で手軽に試せます。

色の選択肢が豊富

ホワイトニングのように歯の白さに限界があるわけではなく、希望する白さや自然な色合いを選んで塗布できるため、より理想に近い歯の色を実現しやすいです。

一時的な試用が可能

永久的な変化ではないため、本格的な審美治療に踏み切る前に、歯が白くなった状態を試してみたいという方にも適しています。気に入らなければ歯科医院で除去することも可能です。

知っておくべきデメリットとリスク

歯のマニキュアは手軽で魅力的な反面、いくつかのデメリットや注意すべきリスクも存在します。これらを十分に理解した上で選択することが重要です。

デメリット・リスク

詳細

持続性の短さ

歯のマニキュアは一時的なものであり、ホワイトニングのような長期的な効果は期待できません。市販品は1日程度、歯科医院での施術でも数ヶ月から半年程度で剥がれてくることが一般的です。

剥がれやすさ

特に、噛む力が強くかかる奥歯の噛む面や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合は、マニキュアが剥がれやすい傾向にあります。飲食の際にも剥がれるリスクがあります。

適用部位の制限

銀歯を白くしたい場合でも、噛む面はすぐに剥がれてしまうため適用が難しいです。また、下の歯の銀歯は、外から見えるのが主に噛む面であるため、側面だけにマニキュアを塗っても審美的な効果が薄いことがあります。そのため、主に上の歯の歯の側面など、噛む力が直接かからない目立つ部分に適用されることが多いです。

仕上がりの差

市販品は手軽ですが、色ムラができやすく、自然な仕上がりになりにくい傾向があります。一方、歯科医院での施術はプロが専用の材料と技術で行うため、より均一で自然な仕上がりが期待できますが、費用は高くなります。特に銀歯の場合、歯科医院では下地処理を施すことで、より銀色を隠しやすくなります。

厚みや違和感

歯の表面に被膜を形成するため、塗布した部分にわずかな厚みが生じ、慣れるまで違和感を覚えることがあります。特に前歯に塗布した場合、唇や舌の感覚で気づきやすいかもしれません。

飲食による着色・変色

マニキュアの素材によっては、コーヒー、紅茶、ワイン、カレーなどの色の濃い飲食物によって着色したり、時間とともに黄ばんだり変色したりする可能性があります。

まとめ

歯のマニキュアは、短期間で白い歯を実現したい方に有効な手段です。ただし、虫歯がある場合は治療が最優先。一時的に隠すことは虫歯の悪化を招くため避けましょう。銀歯への適用は可能ですが、噛む面や下の歯など適用が難しいケースもあります。歯科医院での施術は専門的な仕上がりと持続性が期待でき、市販品は手軽さが魅力ですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。ご自身の歯の状態や目的に合わせて最適な方法を選ぶためには、必ず歯科医師に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。

 

医師プロフィール

阿部 洋太郎

日本大学松戸歯学部を卒業後、歯科保存学入局
千葉県の歯科医院、都内の歯科医院にて勤務
松島歯科・新橋インプラントオフィスにて副院長およびインプラントオフィス所長を兼務
日本大学大学院松戸歯学研究科を卒業
(インプラントと口腔粘膜病変の研究、コラーゲンとエラスチンの研究、カンジダと癌の研究)

審美歯科、ラミネートベニアを専門的に行っており、日本各地や海外からのご来院にも対応している

詳しい経歴や医師の想いについては、医師の紹介ページをご覧ください。