「マウスピース矯正にはどんなデメリットがある?」
「ワイヤー矯正とマウスピース矯正、どっちを選べばいいんだろう」
このような疑問や不安を抱えてはいませんか。
矯正は時間や費用がかかる大きな決断です。そのため、メリットだけでなく、デメリットも正しく理解しておくことが後悔しない選択につながります。
本記事では、マウスピース矯正の具体的なデメリットやワイヤー矯正との違い、マウスピース矯正で失敗しないためのポイントをご紹介します。マウスピース矯正をするか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正とは、透明な取り外し可能なマウスピースを使って歯並びを整える矯正方法です。
ワイヤーを使わないため、目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外せるのが特徴です。患者の歯並びに合わせてオーダーメイドのマウスピースを作り、少しずつ歯を動かしていきます。
痛みが比較的少なく、通院回数も少なく済むため、忙しい人にも人気があります。
マウスピース矯正の8つのデメリット

マウスピース矯正の主なデメリットは以下の8つです。
- 適応できない症例がある
- 装着時間を守らないと効果が出にくい
- 取り扱いに気をつけなければならない
- マウスピース装着中は飲食ができない
- 噛み合わせに違和感が出やすい
- 歯を削る可能性がある
- 知覚過敏や痛みを感じることがある
- 歯根露出のリスクがある
それぞれ詳しく解説します。
1.適応できない症例がある
マウスピース矯正には適応できない症例がいくつかあります。特に以下の場合には、効果が期待できないことが多いです。
- 重度の歯並びの乱れ
- 歯の動きが複雑な症例
- 骨格に問題がある歯並び
マウスピース矯正は、歯全体に均等な力をかける設計になっているため、特定の歯を大きく移動したり、回転させたりする場合には力不足となることが多いです。
そのため、マウスピース矯正で対応するのが難しい場合は、ほかの矯正方法が勧められることがあります。適応症例かどうかは、矯正専門医の診断が必要です。まずは歯科医院で精密検査を受けましょう。
2.装着時間を守らないと効果が出にくい
ブランドにもよりますが、ほとんどのマウスピース矯正は1日20時間以上の装着が必須です。装着時間を守らないと、歯に十分な矯正力がかからず、計画通りに歯が動かない可能性があるためです。
計画通りに歯が動かないと、治療期間が延びたり、効果が減少したりすることがあります。食事や歯磨き以外の時間には必ず装着する習慣を身につけ、自己管理を徹底することが重要です。
3.取り扱いに気をつけなければならない
矯正中はマウスピースの取り扱いに注意が必要です。破損・紛失すると、マウスピースの再作成が必要になるため、治療に遅れが生じたり、追加料金が発生したりするおそれがあります。
また、毎回マウスピースを外した後はしっかりと洗浄することが大切です。マウスピースに汚れが残っていると、口腔内で細菌が繁殖し、虫歯や歯周病の原因になることがあります。
外した後は専用ケースに保管し、清潔に保つよう心がけましょう。
4.マウスピース装着中は飲食ができない
マウスピース装着中は基本的に水以外の飲食ができません。食べ物や飲み物がマウスピース内に入り込むと、虫歯や着色のリスクが高まるためです。また、熱い食べ物や飲み物はマウスピースを変形させるおそれがあります。
マウスピース矯正中に食事をする際は、必ずマウスピースを取り外し、食後に歯磨きをしてから再装着しましょう。
5.噛み合わせに違和感が出ることがある
マウスピース矯正中は噛み合わせに違和感を覚えることがあります。これは歯が少しずつ動いている途中段階で、一時的に噛み合わせが変わるためです。
多くの場合、違和感は治療が進むにつれて改善されます。しかし、強い違和感が続く場合は、マウスピースに問題が生じている可能性が高いため、歯科医師に相談しましょう。
6.歯を削る可能性がある
マウスピース矯正では、治療の一環として歯を削ることがあります。これは「IPR」と呼ばれる処置で、歯と歯の間にわずかなスペースを作るために行われます。必要性やリスクについては、事前に歯科医師と十分に相談することが重要です。
7.知覚過敏や痛みを感じることがある
人によってはマウスピース矯正中に知覚過敏や痛みを感じることがあります。これは、歯に圧力がかかることで神経が刺激されるためです。新しいマウスピースに交換した直後や、歯が動いている途中は特に症状が出やすいです。
なお、マウスピース矯正による痛みは数日で慣れることが多いですが、強い痛みや長引く症状がある場合は歯科医師に相談しましょう。
8.歯根露出のリスクがある
マウスピース矯正では、歯の動きに伴い歯肉が下がり、歯根が露出するリスクがあります。「歯肉退縮」と呼ばれる現象で、特に歯が急激に動いた場合や歯肉の状態が良くない場合に起こりやすいです。
歯根露出は知覚過敏や見た目への影響だけでなく、歯周病のリスクを高める可能性もあります。治療前に歯肉の健康状態をチェックし、歯科医師と相談することでリスクを最小限に抑えられます。
どっちがいい?マウスピース矯正とワイヤー矯正を比較

マウスピース矯正とワイヤー矯正は、それぞれに特徴があり、向いている人や適応症例が異なります。
ここでは、痛み、適応症例、日常生活への影響、費用と期間の4つの観点から比較していきます。
日常生活への影響:見た目や食事のしやすさはマウスピース矯正が上
マウスピース矯正はワイヤー矯正とは異なり、食事や歯磨きの際に外せるため、食事制限が少なく、口腔ケアもしやすい特徴があります。
一方、ワイヤー矯正は装置が固定されているため、見た目が気になったり、食事の際に装置に食べ物が挟まることがあります。ただし、裏側矯正の場合は装置を歯の裏側に装着するため、見た目はマウスピース矯正よりも気になりません。
適応症例:ワイヤー矯正はマウスピース矯正よりも幅広い症例に対応可能
ワイヤー矯正は軽度から重度の不正咬合、骨格的な問題まで、幅広い症例に対応可能です。一方、マウスピース矯正は、軽度から中程度の歯並びの乱れに適しており、細かい調整が必要な場合や重度の症例には向いていません。
適応症例の幅広さを考慮すると、ワイヤー矯正が適しているといます。ただし、複雑な症例でも、マウスピース矯正で改善が目指せる場合があります。まずは歯科医師による診断を受けることが重要です。
期間と費用:症例によって異なる
マウスピース矯正とワイヤー矯正の期間と費用は、症例の難易度によって異なります。
一般的に軽度の歯科矯正であれば、マウスピース矯正のほうが短期間で済むことがありますが、重度の症例ではワイヤー矯正が必要になるため、期間が長引くこともあります。
費用に関しても、どちらが安いとは一概にいえません。マウスピース矯正は一律料金が設定されていることが多い一方で、ワイヤー矯正は追加費用が発生する場合があります。矯正治療を行う場合は、計画を立てる際に費用と期間を明確に確認しておくことが重要です。
痛み:ワイヤー矯正のほうが強く感じやすい
マウスピース矯正もワイヤー矯正も治療中は痛みを感じることがあります。
一般的にはワイヤー矯正のほうが全体的に痛みを感じやすく、装置の装着時や調整時は特に痛みを感じることが多いとされています。ただし、痛みの感じ方は個人差があるため、一概にはいえません。
マウスピース矯正が向いている人・向かない人

これまでの内容を踏まえ、マウスピース矯正が向いている人、向いていない人をまとめました。
- 軽度~中程度の歯並びの乱れを改善したい人
- 矯正装置を目立たせたくない人
- 食事や歯磨きで自由度を求める人
- 自己管理ができ、1日20時間以上の装着を守れる人
- 重度の歯列不正や骨格的な問題を抱えている人
- 装着時間を守ることが難しい人
- 自己管理が苦手な人
上記はあくまでも目安であり、適合するかどうかを決めるものではありません。マウスピース矯正が向いている人の条件に当てはまる場合でも、診断の結果によってはマウスピース矯正が不適合となる場合があります。
マウスピース矯正で失敗しないためのポイント

マウスピース矯正で失敗しないために気をつけたいポイントは以下のとおりです。
- 歯科医師による適切な診断を受ける
- 自己管理を徹底する
- トラブルに備えた対策を知っておく
それぞれ詳しく解説します。
歯科医師による適切な診断を受ける
マウスピース矯正での失敗を防ぐには、事前の診断が必要不可欠です。まずは歯科クリニックで、自分の症例がマウスピース矯正に適しているかを確認しましょう。
特に、重度の歯列不正や骨格の問題がある場合は、適切な治療法を提案してもらうことが必要です。信頼できる歯科クリニックを選び、十分な説明を受けた上で治療を開始することが失敗を防ぐカギとなります。
自己管理を徹底する
マウスピース矯正中は自己管理を徹底することで、失敗する可能性を大幅に下げられます。
中でも特に注意したいのが、マウスピースの装着時間です。矯正中は1日20時間以上の装着を心がけ、食事や歯磨き以外は外さないようにしましょう。自己管理が難しい場合は、リマインダーアプリなどを活用するのも有効です。
また、装着の際にはマウスピースが清潔であるかどうかも確認しましょう。外出先でマウスピースを外す予定がある場合は、歯ブラシなどのケアアイテムを一緒に持ち歩くのがおすすめです。
トラブルに備えた対策を知っておく
マウスピース矯正中のトラブルを最小限に抑えるためには、事前の備えが必要です。
例えば、1つ前のマウスピースをスペアとして用意しておけば、外出先でマウスピースを破損・紛失した場合もすぐ対処できます。さらに、専用ケースを常備しておくことで、外した際に紛失するリスクも減らせるでしょう。
ただ、万全に備えたつもりでも、マウスピース矯正中はトラブルが起きる場合があります。自分で対処しきれないトラブルが発生した場合は、早めに歯科クリニックへ相談しましょう。
デメリットを理解して自分に合った矯正法を選ぼう
マウスピース矯正には多くの魅力がある一方で、デメリットや注意点もあります。歯科矯正での失敗を避けるには、これらを正しく理解した上で、自分に合った矯正方法を選ぶことが大切です。
また、マウスピース矯正は適合できる症例が限られます。まずは自分の症例が適合するか、歯科クリニックで診断を受けましょう。
マウスピース矯正Oh my teethでは、あなたの歯並びがマウスピース矯正で改善できるかどうか、導入クリニックにて無料診断を行っています。マウスピース矯正の特徴やメリット・デメリットについても詳しく説明しているので、検討中の方はぜひお気軽に無料診断へお越しください。
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